行政書士試験合格に必要な勉強期間とは

心構え編

行政書士試験の受験を考えた時に、やはり気になるのが合格までに必要なおおよその勉強期間ですよね。

いつ勉強を始めるか、は試験の合格・不合格を左右する大きな要因の一つです。

そこで今回の記事では、今まで全く法律の勉強をしたことが無い人が行政書士試験に挑戦する場合、どれぐらいの期間勉強する必要があるのか見ていきましょう。

もちろん、仕事をしている方や家事をされている方、勉強一本に集中できる方等、環境によって確保できる時間は異なりますので、それに応じて勉強期間も変わります。

ここでお伝えするのは、あくまで一般的な勉強期間だと捉えてください。

これから行政書士試験に挑む方の役に立つ内容となっておりますので、是非ご一読ください。

※なお、この記事で紹介する勉強期間は目安であり、全員に当てはまるわけではございません。参考程度にとどめていただけますと幸いです。

結論

全く知識のない方であれば半年から1年程度は必要だと思っておくのがよいでしょう。短い方でも4か月前後でしょうか。

法学の知識のある方、公務員試験経験者、他の法律系資格試験の受験経験のある方等であれば、約3~4か月で合格基準に達することも可能だと思います。早い方であれば2か月で合格基準の実力に達する猛者もいるかもしれません。

ちなみに司法試験、司法書士試験のように行政書士試験の科目とほぼ同じ、かつ、難易度の高い試験であれば最短の1か月というのもあり得ます。

このように、自分の学習経験や学習内容との相性によって学習期間は大幅に変わります。

まずは、行政書士試験の問題やテキスト、参考書を確認し、内容を理解するのにどれぐらいの時間がかかりそうかを自分で分析してみると良いでしょう。

ちなみに、1年あれば十分に学習できる分量ですし、合格できる試験であることは間違いありません。

以下では、結論を導き出した根拠を示すため、各項目ごとに分けて説明します。

行政書士試験のボリュームを考える

行政書士試験の勉強期間を考える為には、行政書士試験で出題される内容、量、一般的な難易度を知る必要があります。

そこで、行政書士試験の出題科目と出題形式について簡単に見ていきましょう。

行政書士試験の出題科目

行政書士試験の出題科目は、行政法、民法、憲法、商法・会社法、基礎法学、一般知識等の6科目です。

一般知識等はさらに、政治・経済・社会分野、情報通信・個人情報保護分野、文章理解分野の3つの分野に分けられます。

出題数は全60問となっております。

具体的な出題数に関しては、以下の記事で詳しく記載しておりますので、こちらでご確認ください。

出題形式

出題形式は、5肢択一式、多肢選択式、記述問題、読解問題の4つがあります。(読解問題は5肢択一式に分類されます。)

中でも記述問題は行政書士試験の総得点の5分の1を占めるとても大切な問題であり、知識はもちろん解答の方法等を習得するのにも時間がかかります。

足切り設定がある行政書士試験においては読解問題も非常に重要であり、学生時代に読解問題が得意だった人や毎日本を読む習慣がある、といった人でなければ、解法を習得するのに少し時間がかかります。

科目別の分量

科目別にみると、民法、商法・会社法はボリュームが非常に多く、法律を勉強したことが無い人であれば、一通り理解するまでにかなりの時間がかかると予想されます。

ただし、民法は日常生活に関係がある内容が多い為、理解しやすく学習ペースも早いと思います。

行政法、憲法については1か月もあれば十分に理解可能なボリュームです。

基礎法学に関してはボリュームこそ大変なものがありますが、重要な科目ではありませんので、そこまで学習時間に影響しません。

一般知識は学習範囲が大変広く、足切り制度の為に大変重要な科目でもあります。

その中でも特に範囲が広く、ボリュームが多いのが政治・経済・社会分野で、対策が非常に難しく、時事問題や基礎的な内容を抑えるだけでもそれなりの学習時間が必要です。

次に時間がかかるのが文章理解分野です。理由は上述の通りです。

情報通信・個人情報保護分野に関しては1か月あれば、ボーダーラインを超える得点は十分に可能になるでしょう。

科目別の難易度

各科目の難易度については、こちらの記事で詳しく記載しておりますので、そちらでご確認いただくとして、ここでは学習時間の観点から捉えた難易度について考えてみます。

※学習時間の観点とは、科目の難易度、重要度、分量から総合的に判断し、学習時間の順番を考えたものです。

1位:民法

1位は民法でしょう。行政書士試験において、行政法と双璧をなす重要科目であり、範囲が広く、内容は理解しやすいものの深い理解が求められることから最も学習時間をかけなければならない科目です。

全く知識が無い状態から始めた場合、得点源になるまで2か月程度はかかると考えた方が良いでしょう。

2位:民法

次は一般知識等です。問題の難易度こそ高くないものの、分量がとても多いこと、解き方を習得するのに非常に時間がかかることがその理由です。

政治・経済・社会分野、情報通信・個人情報保護分野、文章理解分野の3つの分野を程度の差はありますが、満遍なく勉強する必要があります。

学習期間の目安としては大体2か月程度でしょうか。

政治・経済・社会分野をどれだけ勉強するかによって大幅に変わってきますので、他科目の進捗状況や試験までの残りの時間を踏まえた上で決めるようにしましょう。

なお、情報通信・個人情報保護分野、文章理解分野は集中的にやる必要があり、情報通信・個人情報保護分野は約1か月弱、文章理解分野は1日数十分程度の練習を2か月程度継続できれば十分でしょう。

3位:行政法

3位は行政法です。押しも押されぬ最重要科目の行政法は、範囲の広さはあるものの、出題される論点がほとんど決まっており、そこを重点的に学習すれば得点源にできます。

内容はそこまで難しくはありませんが、深い理解が求められるという点で学習時間がかかるでしょう。

行政法をマスターするまでに必要な学習期間は1か月半から2か月程度だと思われます。

4位:商法・会社法

4位は商法・会社法です。範囲だけであれば民法以上、一般知識等以下の大変な広さがあります。内容的にも日常生活と馴染みのないものが多く、難しい傾向にありますが、行政書士試験においては配点が低く、そこまで重要な科目ではないことから4位となりました。

基礎事項と過去問を使ってさらっと学習し、半分以上の正答を目指すのが得策です。

この場合にかかる学習期間は約1か月程度です。

ちなみに満点を目指す位がっつりと勉強する場合は2か月以上かかると思われます。

(もちろん、そこまでする必要はありません。)

5位:憲法

5位は憲法です。範囲は他科目に比べると狭いです。重要度はやや高いです。

憲法は学校で学習したこともあり、内容的にはとっつきやすいかと思われますが、出題の難易度は高いです。

憲法を得点源にするには理解と正確な暗記、どちらも必要です。

裁判所の解釈の仕方を、実際の判例をもとに詳しく理解しなければなりませんので、ここに時間がかかると思われます。

学習期間は約1か月程度でしょうか。

最下位:基礎法学

最下位は基礎法学です。範囲は膨大、重要度は最下位というまさにコスパ最低の科目です。

基礎法学という科目に絞って勉強する必要はほとんどありません。

過去に出題された内容を復習するだけ。というのが最も効率的な学習法です。

そのため、学習期間としてはかかっても1週間程度でしょう。

この科目に時間を割くなら、その時間を他科目に充てた方が合格の可能性は高まります。

科目別の難易度 まとめ

学習時間の観点から捉えた難易度をまとめると、

民法>一般知識等>行政法>商法・会社法>憲法>基礎法学

となります。

ここでの見解がみなさまの学習計画にお役立ていただければ幸いです。

※科目の難易度とは異なります。

ここでの順位付けはあくまで当塾の見解を示したものですのでご留意ください。

行政書士試験 勉強時間 まとめ

行政書士試験の勉強期間について、ボリューム、難易度等の項目に分けて解説してきました。

冒頭でもお伝えしましたが、行政書士試験の合格のために必要な勉強期間は、その方の学習経験や学習内容との相性によって大きく変わります。

間違いないのは、初学者でも1年しっかりと勉強すれば十分に取得できる資格であるということです。

もし、1年でも時間が足りないという事態に陥った場合は、学習科目の優先順位をつけること、取捨選択することを意識すると良いでしょう。

できるだけ早い段階で、行政書士試験を受けることを決め、期間に余裕を持って勉強を開始しましょう。

最後に、繰り返しにはなりますが、ここでお伝えした学習期間はあくまでも目安であり、全員に当てはまるものではございませんので、その点はご理解ください。

追記

上記でお伝えした情報は独学で試験合格を目指し た場合です。

予備校や通信の講座、教育を利用、受講した場合の勉強期間とは異なりますので、ご理解ください。

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