今回の記事では、行政書士試験の要点について解説します。
行政書士試験の概要・出題形式を分析すると、試験作成者が受験生に求めているものは何なのかが見えてきます。
この記事を読めば、日々の勉強で意識すべきことがわかり、効率の良い学習の方法がわかります。
行政書士試験の概要
一般的に、行政書士試験は実務試験ではなく教養試験だと言われています。
言い換えると、行政書士として業務を行うための教養、能力が備わっているかを確認する試験です。
試験の内容は行政法、憲法、民法、商法・会社法、基礎 法学、一般知識といった複数の科目で構成されており、出題形式も択一問題、多肢選択問題、記述問題と多彩です。
そして行政書士試験の最大の特徴が絶対評価と足切り制度です。
これらが何を意味するのか、それぞれ考えてみましょう。
※得点配分や科目ごとの難易度についてはこちらの記事で紹介しています。
複数の科目が意味するもの
行政書士の業務を考えると、行政書士試験で法令科目が幅広く出題される理由が見えてきます。
行政書士の業務は、
・「官公署に提出する書類」の作成とその代理、相談業務
・「権利義務に関する書類」の作成とその代理、相談業務
・「事実証明に関する書類」の作成とその代理、相談業務
と広範囲にわたり、どの業務も依頼者にとって重要なものですから、業務を受任するためにはその根本となる法律知識を備えてなければなりません。
つまり、試験作成者は、試験を通して受験者が業務に関連する法律知識を持っているかどうかをチェックしようとしている、という意図が見えてきます。
一般知識科目が存在する理由
一般知識は政治・経済・社会、情報・個人情報、文章理解の3つに分けられます。
どの内容も行政書士の業務と結びつきが強いものばかりです。
例えば、政治・経済・社会の分野は、行政書士業務の権利関係(人権)や主な提出先である官公署(行政)等と関連しており、その成り立ちや基本的な制度、仕組みについての知識を備えているかを確認するものと言えます。
情報・個人情報の分野は、業務のオンライン化に対応できるかをチェックするものであり、個人情報については、行政書士に守秘義務が課せられていることから、個人情報についての知識を備えているかをチェックするものであると言えます。
文章理解については、業務を行う上で必要となる文章を読み解く力を備えているか、を確認するものと言えます。
出題形式が多彩な理由
行政書士試験では択一式だけでなく多肢選択式、記述式の出題形式が採用されています。
多肢選択式の問題を見るとわかりますが、選択肢の数が非常に多く、似た意味の肢、混乱させる肢が複数紛れており、曖昧な知識では得点するのが難しい つくりとなっています。
これは正確な知識、理解を問う意図があると推測できます。
また、記述式が採られているのは、正確な理解に加え、要点をまとめて記述する能力をチェックするためのものだと推測できます。
どちらの能力も行政書士の実際の業務でも必要となる能力です。
絶対評価と足切り制度の狙い
行政書士試験は、他の資格 試験と異なり、180点以上(6割以上)で合格という絶対評価及び一般知識科目の足切り制度が採用されています。
※法令科目にも足切りが存在しますが、実際には意味を成さない為このような表現をしています。
これらの制度の目的は、業務に必要な法的・一般知識を満遍なく備えているかをチェックすることです。
その基準として全体の6割、一般知識4割以上というボーダーラインが設けられているわけです。
行政書士試験の要点まとめ
行政書士試験は行政書士として活動する素養を持つ人かどうかを確認するためのテストです。
行政法、民法を除いた科目では、広く浅く正確な知識を持っているかどうかを問われます。
そのため、これらの科目では細部にこだわらず、基礎的な内容を正確に理解することに集中するのがおすすめです。
広く浅く、正確な理解、正確な知識。
これらのキーワードを心に留めて学習を進めてみてください。
きっと効率の良い勉強法になるはずです。
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