行政書士試験 解き方のコツ

行政書士試験 解き方のコツ 心構え編

・制限時間内に解き終わらない・・・

・ケアレスミスが多くて悩んでいる

・効率の良い解き方・順番を知りたい

行政書士試験受験生のみなさま、こんな悩みを抱えていませんか?

今回は、行政書士試験の解き方のコツをご紹介いたします。

解答時間の短縮、解答の精度という2つの観点から解説いたします。

実際にこの方法を用いたところ、ケアレスミスで失点することはほぼなくなり、最初から見直す時間が取れる程、解答時間に余裕ができました。

この記事を読めば、行政書士試験で時間が不足することは殆どなくなり、理解している問題を失点することも少なくなります。

行政書士試験の時間の概略

行政書士試験はマーク式、記述式の2種類の解答方法があり、基礎法学、憲法、行政法、民法、商法・会社法、一般知識等の全60問で構成されています。

試験時間は13時から16時までの180分です。

180分で60問の出題ですから、単純計算で1問3分で解く必要があります。

この中に、記述問題、文章理解問題(読解問題)がそれぞれ3問ずつ含まれること、解答の見直しやマークミスがないか確認する時間も考慮すると、非常に厳しい時間設定と言わざるを得ません。

実際に時間切れしてしまった人も多いのではないでしょうか。

そこで、時間切れを防ぐ3つの対策と注意点をご紹介いたします。

なお、科目ごとの難易度、配点についてはこちらの記事で説明しています。

スピードを上げるテクニック

解くスピードを上げるには3つのコツがあります。

・全ての選択肢を読まない

・わからない問題の対策

・解く順番を考える

一つずつ解説いたします。

全ての選択肢を読まない

択一問題では1問当たり5つの選択肢が与えられますが、その全てを読んでいたのではとても時間が足りません。

そこで、正答がわかったらすぐ次の問題に移る。これを実践してください。

例えば、ある問題の選択肢の1つ目を読んだ時点で、正答が1だと目星がついたとします。その際2、3と次の肢を読むのではなく、解答用紙に1をマークして次の問題に移る。ということです。

こんな簡単なことで、かなりの時間を短縮することが可能です。

わからない問題の対策

2択まで絞れてもどちらか選びきれない。こんな経験はありませんか?

試験問題の中には、わからない問題が必ず存在します。

そんな時、その問題にとらわれる状態が一番良くありません。

1分考えてわからなければ、何となくそれだと思う選択肢をマークして次に進むことが大切です。その際、問題用紙の問題の横に「点」や「?マーク」等、解答に自信がない印を付けてください。

この印が後の見直しの際に絶大な効果を発揮します。

解く順番

一般的には、特定の科目の問題から解くように教えられることが多いと思いますが、

特にこだわりがない限り、前から順番に解くのをおすすめいたします。

時間という観点から見た場合これが一番無駄がありません。

特定の科目の問題から解く方法のおすすめできない理由は2つあります。

1つは、探す時間が無駄になることです。

特定の問題までページをめくる時間、解答用紙のマークする場所を探す時間等、無駄な手間が発生します。

ただでさえ制限時間が厳しい行政書士試験において、解答を考える時間、ダブルチェックの時間以外に時間を使うのは非常にもったいないです。

もう1つは、ミスを誘発する可能性が高くなることです。

特定の科目の問題から解く方法では解答がズレる可能性が高くなります。

最初から順番通りに解く方法では上から順番にマークするため解答がズレることはほとんどありません。

逆に、特定の科目の問題から解く方法ではピンポイントでマークすることになりますから、問題番号の読み間違いなど、少しの不注意で答えがズレる可能性が高くなります。

ミスを増やしやすい選択は極力避けた方が良い、というのが私の考えです。

解答時の注意点

解答の際、絶対に避けて欲しいことがあります。

それが、解答欄を空白にして次の問題に移ることです。(記述問題を除く。)

最後の見直しの際に解答がズレていることがわかった。となったら大事です。

わからない時は適当にマークし、後の見直しの際に考えれば問題ありませんので、空白にすることだけは必ず避けてくださいね。

解答の精度を上げる方法

ここでは、解答の精度を上げること

=『自分が理解している論点を、問題の読み違え、選択肢の読み違え等で失点するのを防ぐこと』と定義します。

対策は2つあります

1つは、登場人物やモノを身近な人物やモノに置き換える

もう1つは、問題の場面を図で示す

です。

順に解説します。

登場人物やモノを身近な人物やモノに置き換える方法

まずはこちらの代理の問題文をご確認ください。

『Aの子Bが、Aに無断でAの代理人としてA所有の土地をCに売却する契約を結んだ。Cが相当の期間を定めてこの売買契約を追認するかどうかをAに対して回答するよう催告したが、Aからは期間中に回答がなかった場合、Aは追認を拒絶したものと推定される。』

Aが頻繁に登場し、内容の理解が難しくなっています。

そこで今回紹介する方法、『登場人物やモノを、身近な人物やモノに置き換えて』を使います。

今回の例では、A・B・Cという人物、A所有の土地が登場します。

これらをA=母親、B=自分、C=友達、A所有の土地=母親の土地に置き換えた後の文章を見てみましょう。

『自分が、母親に無断で母親の代理人として母親の土地を友達に売却する契約を結んだ。友達が相当の期間を定めてこの売買契約を追認するかどうかを母親に対して回答するよう催告したが、母親からは期間中に回答がなかった場合、母親は追認を拒絶したものと推定される。』

先程よりも内容が理解しやすくなっています。

登場人物やモノを身近な人物やモノに置き換えるだけで、問題となっている場面の現実味が増し、問題文の読み間違いや解釈の間違いを防ぐことに繋がります。

なお、そもそもの問題の意味がわからない等、法律の基本部分が苦手な方向けの法律科目攻略法をこちらの記事で紹介しています。

問題の場面を図で示す方法

これはみなさんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。

問題となっている場面の図を書いて、視覚的に理解しやすくすることで、問題文の読み間違いや解釈の間違いを防ぐことができます。

例えば先程の代理の問題文で実践します。

『Aの子Bが、Aに無断でAの代理人としてA所有の土地をCに売却する契約を結んだ。Cが相当の期間を定めてこの売買契約を追認するかどうかをAに対して回答するよう催告したが、Aからは期間中に回答がなかった場合、Aは追認を拒絶したものと推定される。』

これを図にすると・・・

この程度の雑な図で大丈夫です。

いかがでしょうか。

この方法を1つ目の対策法と併せて使うことで、問われているポイントが明確になり、正解を導き出しやすくなりました。

民法と行政法では特にこの方法が威力を発揮します。

民法と行政法は記述問題も出題されますので、是非活用してください。

注意点として、全ての問題でこれをやると時間が足りなくなってしまいます。

問題文を読んで理解できるものはそのまま解答し、理解が難しいものや記述問題に関してのみ図を書くようにしてくださいね。

行政書士試験解き方のコツのまとめ

以上となります。

ちょっとした受験の知識・情報を知っているだけで、時間の使い方や解答の正確さに大きな差が生まれます。

時間配分の誤りや注意不足による失点が多ければ、いくら実力があっても合格できません。(私の周りでも、ケアレスミスで不合格になった経験がある方を数名知っています。)

本試験で合格を勝ち取るためには、予備校・通信講座を受講している方も、独学の方も、日々の学習の中で常に時間と正確性を意識することが重要です。

模試や過去問の問題演習の時はもちろん、できればテキスト学習の時や通常の問題演習の時でも時間を計り、自分の解くスピードをしっかりと把握するようにしてください。

正確さについても、上記で述べた方法を活用すれば確度が上がるはずです。図などは特に効果抜群ですので、繰り返し練習し早く書けるように工夫をしてみてください。

本記事が、みなさまの勉強法と得点力向上のお役に立てれば光栄です。

おまけ

後から見直した時に、どちらが正しい答えか分からなくなった挙句、最初の答えと別の答えにして失敗した経験はありませんか?

そんな時は【蛇足】この言葉を思い出してください。

意味は、余計なことをしてすべてを失ってしまうこと。です。

何千年も前に中国で同じ過ちを犯してしまった人が、教訓を残してくれています。

昔、楚の国の人が先祖の法事をした後、手伝いに来てくれた人にお礼として法事に使った酒を一壺飲んでもらうことにしました。手伝いに来てくれた人は大勢いて、この酒だけではとうてい足りません。みんなで飲むほどの量はないが一人で飲むなら十分だ、どうしたらいいものだろう?こう相談されてその場にいた人々は皆静まり返ってしまいました。

この時「みんなで地面に蛇の絵を描こう。一番最初に蛇の絵をうまく描き終えた者が飲んでいいことにしたらどうだ」と提案した者がいます。それを聞いてみんなは「それはいい方法だ」と賛成し、そこでみな地べたにしゃがみ込んで蛇の絵を描き始めました。

一人がすばやく描き終え、その一壺の酒に手を伸ばそうとしましたが、周りを見るとみなまだ描き終えていません。彼は自分の腕を自慢したくなり「みんな絵を描くのが遅いなあ。俺は蛇に足を付け足したって勝てるぞ」と言うや左手に酒壺をつかみ、右手に枝を持って蛇の足を描き始めました。

ちょうど彼が蛇の足を描きながらこうしゃべっている時です。もう一人の男が蛇の絵を描き終えました。その男は最初に描き終えた男の手から酒を奪うと「あんた蛇を見たことがあるのかい?蛇には足はないんだ。足のある蛇なんて蛇じゃないぞ。蛇を最初に描いたのは俺だ」そう言ってその酒をごくごくと飲みほしてしまったのでした。

「蛇足」の故事ー中国語スクリプト

これを今回の場面に当てはめると、最初の答えを選んだほうが良い。です。

どちらの解答にも自信が無ければ、直感で書いた最初の答えを選びましょう。

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