行政書士試験 行政不服審査法

行政書士試験 行政不服審査法 行政法

今回は行政不服審査法の概要についてご紹介いたします。

行政不服審査法といえば、行政書士試験の行政法において、行政手続法、行政事件訴訟法、地方自治法と並んで超頻出かつ重要な法律の一つです。

5肢択一問題はもちろん、多肢選択問題や記述問題でも出題される可能性が高い分野です。

つまり、行政不服審査法の攻略なしでは試験に合格するのは難しいと言わざるを得ません。

そこで、当記事では行政不服審査法の概要と併せて攻略のための情報についてご案内いたします。

行政不服審査法とは

行政不服審査法は2014年に大改正され、2016年に施行された法律です。

行政不服審査法は何のために改正され、どのような法律なのでしょうか。

その答えは行政不服審査法の条文に書かれています。

この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。

行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(以下単に「処分」という。)に関する不服申立てについては、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。

引用 行政不服審査法 第一条

行政不服審査法とは、国民が行政庁から違法、不当な処分を受けた時に、その処分を取り消してもらう『不服申し立て(審査請求)』の制度について規定した法律です。

※民法や憲法等の法令科目は条文を読んでも頭に入らない事があります。そんな時はこのように意訳してみると理解しやすくなります。

以後、行政庁についての理解なしでは行政不服審査法の正確な理解が難しくなります。

理解が曖昧な方は、先に行政庁等の行政組織、行政主体について学習を進めてください。

なお、行政庁についてはこちらの記事で紹介しています。

不服申し立ての申し立て先

不服申し立ては国民が行政庁に対して行います。

行政庁から違法な処分を受けた時は裁判所にも訴えることができるのですが、こちらは行政事件訴訟法という別の法律を使うことになります。

ではなぜ、裁判所に訴えられるのに別の申し立て先が用意されているのでしょうか。

これは先に見た行政不服審査法の目的に答えがあります。

次にご紹介します。

不服申し立てのメリット・デメリット

不服申し立ての制度は、簡易迅速に国民の権利利益を救済するためのものです。

裁判所に訴えると多大な費用も時間もかかります。

行政庁の処分には公定力が働きますから、行政庁の処分が誤っていたとしても、その処分が取り消されるまでの期間効果が続きます。

これだとあまりにも国民側がかわいそうです。

そこで、簡易迅速に国民の権利利益を救済するため、不服申し立ての制度ができたというわけです。

ただ、申し立て先が行政庁ということからわかるように、裁判所と比べて公平中立性に欠けます。

行政庁の処分の審査の是非を行政庁側が行うのですから、公平中立性に欠けるのはある意味当然です。

つまり、行政不服審査法の不服申し立ては、簡易迅速かつ安価に行うことができるメリットと引き換えに、公平中立性を失うデメリットもあります。

特に定めがない限り、不服申し立て(審査請求)と裁判所への訴訟(取消訴訟等)はどちらを選んでも問題ないことになっています。

不服申し立ての特徴

簡易迅速であること、公平中立性に欠けること以外の特徴としては、

・一般的に書類での審理になること

・違法適法だけでなく、正当か不当かについても争えること

が挙げられます。

簡易迅速に行うために、口頭弁論だと準備等で手間も時間もかかるため書類審理で対応し、また、国民の権利利益を救済するために、争える対象を広くしているということですね。

行政不服審査法攻略のポイント

上記で述べた行政不服審査法の目的、特徴、メリット・デメリットおよび行政事件訴訟法との違いという基礎を抑えた上で、それに関連する知識を肉付けをしていく方法が効率の良い学習の進め方です。

例えば、

・不服申し立ての対象となるものはどのようなものなのか

・不服申し立ての種類はどんなものがあるのか

・どのように不服申し立てをするのか、書面を提出するのか

・申し立ての対象となる行政庁はどこになるのか

・書類審理とはどのように行われるのか、書類はどこに提出するのか

・審理期間はどれぐらいの期間なのか

・処分を受けてから不服申し立てが認められる期間はどれぐらいか 等

の知識を肉付けしていくと体系的に理解ができるのでおすすめです。

行政不服審査法まとめ

行政不服審査法は近年大改正されたため、判例問題からの出題はほとんどありません。

条文知識からの出題が中心です。

内容自体はそこまで難しくはありませんが、行政手続法や行政不服審査法等、他の法令と混同させる問題が頻繁に出題されるため、それぞれの違いを正確に理解することが求められます。

行政不服審査法攻略のポイントでお伝えした、基礎を抑えて派生する知識を身につけていく方法で学習すれば自然と正しい理解となります。

やればやっただけ得点に繋がる分野ですので、しっかりと時間を使って学習しましょう。

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