行政書士試験 記述式 勉強法

行政書士試験 記述式完全攻略 勉強法編

行政書士試験の大きな特徴の一つ、記述式問題。

その配点の高さから捨てる訳にもいかず、お困っている人も多いのではないでしょうか。

そこで、今回の記事ではおすすめの記述式の勉強法についてお伝えいたします。

この方法であれば、記述問題を解くための必要な基礎力が身につき、記述問題はもちろん、多肢選択式問題、5肢択一問題にも通用するようになります。

この記事を読んで、記述問題の得点力をぐんと上げましょう。

記述問題の特徴

法律系資格で最難関の司法試験や司法書士試験等と並び、

行政書士試験でも、記述式の問題が3問出題されます。

例年、3問中2問は民法から、1問は行政法から出題されます。

1題あたり40字程度という字数制限があります。

そして最大の特徴は、行政書士試験で唯一、採点者の裁量が働く問題形式であるということです。

記述問題の配点

配点は全300点満点中、60点と全体の5分の1をも占めます。

1問につき20点ですが、キーワードごとに点が設定されており、完答できなくてもキーワードを書ければ部分点がもらえる仕組みです。

1問に大体2~3個程度のキーワードが設定されており、一つのキーワードにつき6点から8点の設定がされていることが多いです。

記述問題の難易度

難易度的には易しい問題が1問から2問、難しい問題が1問から2問で構成されることが多いです。

5肢択一式問題が難しければ記述式問題は簡単になり、5肢択一式問題が簡単であれば記述式問題が易しくなるといった傾向があります。

記述問題の出題内容

行政法では、主に行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法から出題されます。

この中でも特に行政事件訴訟法は、

・原告適格や被告適格、訴えの利益などの訴訟要件

・棄却判決や却下判決等の判決の種類

・既判力や形成力等の判決の効力

・執行停止の要件等

受験生が苦手とするポイントが数多く含まれ、出題者側としてもふるいにかける問題を作りやすい分野です。

民法では物権分野、債権分野、親族・相続分野のあらゆる分野から満遍なく出題されています。

記述問題の得点目標

行政書士試験では記述問題が試験合否の調整弁の役割を果たしています。

上述の通り、記述問題は行政書士試験中で唯一採点者の裁量が働く出題形式です。

択一式問題で得点が高い受験生の解答は厳しく採点され、択一式問題の得点が、記述問題の結果次第で合否が決まる範囲であった場合には、周囲の受験生の合格率との兼ね合いで厳しくも易しくもなる可能性があります。

そのため、記述問題の得点目標は限りなく低く設定し、採点者の裁量の余地がない択一式問題で合格点に達するように得点目標を立てることをおすすめします。

記述問題の対策・攻略法

記述問題の対策、攻略法において重要なのは条文知識を正確に記憶すること、

判例等の重要論点をしっかりと理解していることです。

その上で、40字に収める為の文章の書き方や言い回しを覚えるという学習の進め方が良いでしょう。

おすすめの問題集

たった1冊で条文知識を正確に記憶でき、判例等の重要論点を把握できる非常に優れた問題集があります。

それが早稲田出版が出している【合格革命 行政書士40字記述式・多肢選択式問題集】です。

この問題集は、基礎編と応用編の2部構成となっています。

基礎編では、出題のもととなる重要条文・重要判例の文言が穴あき形式になっており、問題を解くことでその内容を覚えられます。

応用編では本試験同様の事例形式のオリジナル問題が収録されており、基礎編で学習した知識を実際に記述形式で解答する練習ができる内容となっており、

大変優れた問題集です。

解説も親切で、大事なポイントや、狙われやすい論点がわかりやすく説明されています。

この1冊を徹底して繰り返すことで、基礎となる重要条文・重要判例を効率的に暗記することができ、記述問題はもちろん5肢択一式、多肢選択式の点数アップにも繋がります。

学習効率を最大限に高める問題集の使い方については、こちらの記事で紹介しています。

独学時の学習法

独学の場合、記述問題の採点者が自分しかいない為、客観的な評価が難しくなります。

そこで、本試験の採点者の採点基準とズレないための方法について、ポイントに分けて説明します。

減点されない記述の仕方を練習する

絶対に減点されないテクニックがあります。

それは、条文・判例の表現をそのまま使うという方法です。

自己流で記述し自分で採点すると、若干甘めの採点か、厳しすぎる採点になりがちで、本試験の採点者の採点基準のズレの可能性が高くなります。

しかし、条文・判例の表現をそのまま使えば、裁量の余地が限りなく小さくなり、採点基準との乖離も小さくできます。

重要な条文・判例に関しては、テキスト・問題集の表現を一言一句正確に覚え、それをそのまま使って記述することをおすすめします。

40字で収める練習をする

行政書士試験の記述問題は40字程度という字数制限があります。

実際に試すとよくわかりますが、40字という字数は意外と少なく、キーワードをただ詰め込むだけだと簡単に字数オーバーになります。

そこで、

・不要な句読点を減らす

・「~。しかし、~」という表現を「~が、~」等の接続詞を省略できる表現に変える

・「~しなければならない」という表現を「~が必要である」等の同じ意味の表現に言い換える

といった工夫を日々の勉強で練習し、癖づける必要があります。

ちなみに、どうやっても40字に収まらない時は、その答え自体が誤りである可能性があります。

この場合はもう一度考え直すことをおすすめします。

答え方に注意する

記述問題では、答え方一つで大きく減点される危険性があります。

例えば、【~の理由を述べよ】という出題の場合は、

「~から。」「~のため。」といった理由を説明する表現で終わっていなければなりませんし、

【~ができるのはどのようなときか】という出題の場合は「~のとき。」という文末表現になっていなければなりません。

内容は正しいのに、こういうところで点を削られてしまうのは大変もったいないです。

必ず問題文の質問形式をしっかりと把握し、それに合わせて解答するようにしましょう。

それが自然とできるようになれば、得点率も高くなります。

解答時の注意点

何よりも絶対に避けて欲しいのが空白で出すことです。

先に述べた通り、記述式問題には部分点が設定されています。

何か書けば得点できる可能性は残されていますが、白紙で出すと当然0点になってしまいます。これは非常にもったいないです。

何も思いつかない場合でもそれっぽいものをとりあえず書くようにしましょう。

そして、この何でもいいからとりあえず書くという意識を日頃の学習から持ち続け、日々の問題演習や模試の際にも、必ず何か書くということを徹底し、癖づけるようにしましょう。

行政書士試験 記述式 勉強法まとめ

記述問題は採点者の裁量の余地が大きく、得点計算しにくい特徴があります。

そこで当記事では、採点者の裁量の余地をできるだけ小さくするために受験者側でできる対策についてお伝えいたしました。

ここで紹介した問題集を活用し、対策・攻略法を実践すれば、確実に記述問題の得点率は上がります。

それだけでなく5肢択一式、多肢選択式の得点率も間違いなく上がるでしょう。

最後に注意点として。

記述問題は絶対に捨ててはいけませんが、拠り所にしてもいけません。

いくら記述問題が得意であったとしてもです。

記述問題の採点は他の受験生の得点の兼ね合いで厳しくも易しくもなる可能性があります。

採点基準が明らかにされていない以上、これは仕方がありません。

ですから、5肢択一式、多肢選択式だけで合格点(180点)以上の得点を目指すことをおすすめします。

択一式だけで合格点に達すれば、合格発表までドキドキせずに済み、開業準備も前もってできる等、良いことづくめです。 記述抜き180点を目標にして勉強頑張りましょう!

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