行政書士試験 一般知識 勉強法

行政書士試験 一般知識 攻略 勉強法編

行政書士試験の中である意味一番恐ろしい科目、一般知識。

闇夜に鉄砲を撃つようなものと言われる程の範囲の広さと対策の難しさに、頭を悩ませている行政書士試験受験生は数多いでしょう。

そこで今回の記事では、一般知識科目を細かく分解、解説した上で、一般知識科目のおすすめの学習の方法をお伝えいたします。

私も受験生時代は、一般知識の足切りの恐怖に怯え、やみくもに情報を集め、色んな参考書に手を出し、無駄な費用と時間を費やしてしまった経験があります。

みなさまには私と同じ過ちをたどって欲しくない。

そんな思いから、一番学習の効果があった方法についてご紹介いたします。

この記事を読めば、足切りの恐怖から逃れるための術が見つかります。

尚、一般知識科目の勉強にうってつけの参考書、問題集はこちらで紹介しています。

※足切り・・・一定の点数に達しない受験生を問答無用で不合格にすること。

一般知識科目の概要

一般知識科目は、政治・経済・社会分野、個人情報保護・情報通信分野、文章理解分野の3つの分野で構成されています。

また、一般知識科目には足切り点が設定されていることが最大の特徴で、行政書士試験の合格率を下げる要因の一つとなっています。

一般知識科目の配点と出題形式

配点は全300点満点中、56点と全体の約5分の1を占めます。

出題形式は記述、多肢選択式は無く、全て5肢択一式で、1問につき4点の配点があります。

例年、政治・経済・社会分野から7~8問、個人情報保護・情報通信分野から3~4問、文章理解分野から3問出題されています。

足切り基準点は一般知識科目全体の4割に設定されており、これにかからない為には6問以上の正解が必要とされます。

この6問というのは、かなり際どいラインです。

一般知識科目の難易度

一般知識科目の問題の難易度自体はそこまで高くありません。

個人情報保護分野に関しては条文知識があれば解ける問題が多く、文章理解分野は高校入試レベルの比較的易しい問題が多いです。

しかし、政治・経済・社会分野と情報通信分野に関しては、範囲が広すぎて対策が厳しいという意味では非常に難しいとも言えます。

例えば、平成29年度には政治・経済・社会分野から小説家・山崎豊子の著作に関する内容が出題されました。

このような問題は知っていなければ解けませんし、事前に対策の仕様がない問題です。

今現在は減ってきていますが、このような行政書士の内容とほとんど関連がない問題が出題されることが多い時期もありました。

これが一般知識科目の怖いところでもあります。

次の記述のうち、社会の様々な問題を題材に取り上げた小説家・山崎豊子の著作として、妥当なものはどれか。

1.『官僚たちの夏』では、政権交代によって政治主導の政策形成が強まるなかで、筋を通した大蔵省官僚が、官邸の政治力の前に挫折する姿を描いた。

2.『苦海浄土』では、原子力発電所事故による放射能汚染によって故郷を追われた避難者の姿を通して、原子力安全神話の問題性を告発した。

3.『白い巨塔』では、国立大学医学部における教授選挙を巡る闘争や、外科手術に関連する医療過誤訴訟を描いた。

4.『蟹工船』では、日本とソ連崩壊後のロシアとの間の北方領土と北洋の「共同開発」を巡る利権争いを、労働者の視点から描き出した。

5.『複合汚染』では、全国各地の湾岸の埋立地が、様々な物質によって汚染されている実態を明らかにした。

引用:行政書士試験 平成29年 問53

一般知識科目の得点目標

足切り基準点が設定されている為、最低でも7問は得点したいところです。

5肢択一式、多肢選択式の得点だけで180点以上の合格を目指す方は10問以上の正答を目指しましょう。

参考までに、以下に各分野ごとの目標点を記載いたします。

☆7問得点の目標点

政治・経済・社会分野=2~3問

個人情報保護・情報通信分野 2~3問

文章理解分野=2~3問

★10問得点の目標点

政治・経済・社会分野=3~4問

個人情報保護・情報通信分野 3~4問

文章理解分野=3問

一般知識科目の各分野解説

一般知識科目を構成するは、政治・経済・社会分野、個人情報保護・情報通信分野、文章理解分野の3つの分野について解説いたします。

政治・経済・社会分野

政治・経済・社会分野では主に各国の政治制度や選挙制度、権利関係の歴史、日本の社会保障制度、環境問題、金融政策や国際経済に関する内容が出題されることが多いです。

しかしながら、過去には先述の小説家・山崎豊子の著作に関する出題や日本の島に関する内容が出題されたこともあります。

政治制度や選挙制度、権利関係の歴史、日本の社会保障制度、環境問題、金融政策や国際経済といった内容については大学入試の政経テキストや新聞やニュース等で十分に対策が可能ですので、この当たりの知識は抑えるようにしましょう。

日本の島に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.日本の最東端の島は、沖ノ鳥島である。

2.日本の最西端の島は、与那国島である。

3.日本の最南端の島は、南鳥島である。

4.日本の最北端の島は、利尻島である。

5.日本の最南端の有人島は、父島である。

引用:行政書士試験 平成27年 問52

個人情報保護・情報通信分野

情報通信分野については、通信技術に関する基本的な知識やIoTやSNSといった通信技術関連の専門用語を問うものが出題されています。

範囲が広すぎるため対策するのは厳しいですが、出題される内容については易しいものが多いので今有している知識で答えられる可能性は高いです。

個人情報保護分野については、個人情報保護法の目的や構成等の基礎的な内容から主に出題されるため、対策は比較的簡単です。

文章理解分野

文章理解分野では出題形式がそれぞれ異なる問題が3問出題されます。

・要旨・内容把握問題 = その文章の趣旨、内容に合う選択肢を選ぶ問題

・文章整序問題 = 文章を正しい順番に並び変える問題

・空欄補充問題 = 空欄に適切な語を入れる問題

どの形式の問題も内容的にはそこまで難しいものは無く、

しっかりと学習すれば得点できる内容となっています。

一般知識科目の学習法

一般知識科目の勉強は文章理解分野を除き、短期集中で行うのがおすすめです。

記述問題の得点も考慮して合格点を狙うのか、記述問題の得点抜きで合格点を目指すのかその目標設定によって一般知識科目への取り組み方を変えましょう。

前者であれば足切りにかからない程度の必要最低限の勉強に留め、合格に直結する行政法と民法等の法令科目を重点的に勉強するのがよいです。

(行政法と民法の2科目だけで188点と、合格基準点以上の配点があります。)

後者であればしっかりと勉強時間と勉強量を確保する必要があります。

これから紹介する勉強法は、【記述問題の得点抜きで合格点を目指す】人向けとなっています。

最低限で良いとお考えの方にはオーバーワークとなりますので、お気を付けください。

各分野にわけて紹介いたします。

政治・経済・社会分野の学習法

上述の通り、政治・経済・社会分野は対策ができる問題とそうではない問題が混在しています。

対策ができる政治・経済・社会分野の出題については

「大学入学共通テスト 川本和彦 政治・経済講義の実況中継」のテキストを使った勉強がおすすめです。

出題頻度が高い

・各国の政治制度や選挙制度

・権利関係の歴史

・日本の社会保障制度

・環境問題

・金融政策や国際経済

等の内容は先の参考書で網羅されています。

この本の内容を頭に叩き込みましょう。これだけで安定して3~5問の得点が見込めます。

効率の良い参考書の使い方についてはこちらの記事で紹介しています。

残りは時事問題や奇問が出題される可能性があります。

時事問題対策として、日頃から新聞、テレビ、ネット等のお手持ちの情報媒体で政治・経済・社会に関するニュースの情報収集を行いましょう。

個人情報保護・情報通信分野の学習法

情報通信分野に関しては身近なIT用語や通信技術の基礎的な構造等を学習し、知識をつけましょう。出題される内容は比較的易しいものが多く、今有している知識で答えられる可能性は高いです。

個人情報保護分野については過去問対策が有効ですが、注意点もございます。

その辺りの内容も含め、個人情報保護分野の学習法についてこちらの記事で紹介しています。

文章理解分野の学習法

文章理解は勉強した分だけ確実に成果が出る分野ですが、一朝一夕には実力がつかない分野でもあります。

できるだけ早めに文章理解の勉強を始めることが重要です。

具体的な文章理解分野の学習法については以下の記事で詳しく紹介していますので、こちらをご確認ください。

一般知識科目学習法の注意点

今回、紹介した勉強法は数ある勉強法の中の一つです。

誰でも取り組みやすく、効率の良く学習できる方法だと自負しております。

しかし、人それぞれ食べ物の好みがあるように、自分に合った勉強法も人それぞれ違います

ですから、一般知識科目の勉強法で悩んでいる方はまずこちらの方法を実践してみて、自分に合うか合わないかを確かめるようにしてくださいね。

行政書士試験 一般知識 勉強法まとめ

いかがでしたでしょうか。

本来であれば、出題範囲がとても広い上に、配点が56点と行政書士試験全体の約20%しかない科目に必要以上の時間をかけるべきではありませんが、一般知識科目には足切り制度が設定されています。

だからといって、行政書士試験は無勉で足切りを回避できる程、甘くはありません。

一般知識科目の範囲の広さゆえに勉強するのは無駄、と一切対策をせずに試験に臨み、足切りで涙をのんだ人を複数知っています

一般知識科目でも対策できる分野はあります。後々足切りで後悔しない為にも、対策できる分野の勉強はしっかりと行う。

ただし、時間や労力の掛け具合を目標点に合わせて調節するといった工夫をして、一般知識科目を乗り切りましょう。

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